取扱説明書には、「6,000kmまたは1年」のように、距離と期間が並べて書いてあります。年に2,000kmしか乗らないなら、1年で替える必要はあるのか。3,000kmで替えるのは、早すぎるのか。
この記事では、メーカーの資料と、オイルの劣化を実際に測った研究を読みます。先に言ってしまうと、「1年」は距離のおまけではありませんでした。そして、バイクのオイルは、車より早く粘りを失うことが測られています。
目次(タップで開閉)
1メーカーの指定は何キロか——3,000・6,000・10,000kmと「1年」
日本の二輪メーカーは、エンジンオイルの交換時期を、エンジンの冷やし方と排気量で分けています。ホンダの整備のページ(MAINTENANCE NOTE)と、スズキのサポートページから並べると、こうなります。
| 区分 | ホンダ | スズキ |
|---|---|---|
| 初回 | 1,000kmまたは1か月 | 1か月または1,000km |
| 空冷 | 3,000kmまたは1年 | 1年または3,000km |
| 水冷250cm³以下、ドライサンプ、オイルクーラー付きの空冷 | 6,000kmまたは1年 | — |
| 水冷251cm³以上 | 10,000kmまたは1年 | — |
| 原付二種の強制空冷、油冷、水冷 | — | 1年または6,000km |
ヤマハも、2015年の公式ブログで同じ形の表を載せています。251cm³以上の水冷が10,000km、126〜250cm³の水冷が6,000km、125cm³以下の水冷が3,000kmで、どれも「または1年」です。トライアンフの日本の保証規定は、定期点検を「16,000 km または 1年の どちらか早い方」としています。
カワサキの交換距離は、公式の資料を確かめられませんでした。分かったのは、購入後の点検サービス「カワサキケア」で、「1か月、12か月、24か月目の点検は、オイル交換(オイルフィルター含む)を無償で行います」としていることです。こちらは距離ではなく、月で区切っています。
私が乗った2台の整備表も載せておきます。VTR1000Fは、英語の取扱説明書(2002年版・2005年版)とサービスマニュアルの数字です。
| ホンダ VTR1000F | トライアンフ スピードトリプル1050(2008) | |
|---|---|---|
| オイル交換 | 12,000km/8,000マイル/12か月 | 10,000km/6,000マイル/1年 |
| フィルター交換 | オイル交換ごと | オイル交換ごと |
| 整備表の範囲 | 36,000km/24,000マイル/36か月 | 50,000km/30,000マイル/5年 |
| 表の末尾から先 | 同じ間隔で繰り返す旨の記載あり | 特に記載なし |
| 書き方 | どちらも「距離または期間の、いずれか早いほう」 | |
同じVTR1000Fでも、日本向けの取扱説明書は「初回1,000km、以後10,000kmごと」で、英語の版とちがいます。いまのホンダの表では、同じ大きさの水冷エンジンが「10,000kmまたは1年」です。メーカーの数字は、仕向け地と時代と機種で動きます。自分のバイクの数字は、取扱説明書で確かめてください。フィルターをいつ替えるかは、オイルフィルターの記事で扱っています。
2「または1年」は、おまけではない——乗らなくても劣化する理由
年に数千kmしか乗らない人には、距離より先に1年が来ます。その1年は、何のためにあるのか。
ヤマハ発動機販売の担当者は、ヤマハの公式ブログ(2022年8月12日)で、交換時期をこう書いています。
ズバリ「距離」か「期間」のどちらか早い方になります。
ヤマハの純正オイルのFAQは、もっと短く書いています。
また、走行しなくてもオイルは劣化するので注意してください。
ホンダも二輪のFAQで、部品や油脂類には「外見的に変化が分からない場合でも経年変化および走行距離や使用時間などにより劣化するものがあります」と書いています。スズキも、スウィッシュの取扱説明書で、オイルが劣化する要因に「時間の経過」を挙げています。
時間で進む2つのこと
メーカーが理由として書いているのは、主に2つです。
- 酸化——ヤマハのブログは、「オイルは走行の有無に関わらず、開封した直後から少しずつ酸化が進み、性能が低下します」と書いています。
- 結露——同じブログによれば、「気温の低い季節はエンジン内部に結露が発生し、水分でオイルが乳化してしまいます」。
乗らずに置いてある間に、何がどれだけ進むのか。それを測ったデータは、私が探したかぎり見つかりませんでした。メーカーが「1年」の理由として説明しているのは、この2つです。
「または」と「どちらか早い方」
書き方にも違いがあります。ホンダとスズキの表は「または」で、ヤマハのブログとトライアンフの保証規定は「どちらか早い方」です。意味は同じで、先に来たほうで替えます。
3短距離・寒い時期・アイドリング——早めに替える条件
距離も期間も来ていないのに、早めに替えたほうがいい使い方があります。ホンダは二輪のオイル交換のページで、次の使い方ではオイルの劣化が早まるので、早めに交換するよう書いています。
- 未舗装路での頻繁な走行
- 短距離走行の繰り返し
- アイドリング状態での頻繁な使用
- 寒冷地での使用
ヤマハの用品会社ワイズギアも、「寒い時期の短距離の走行や、ストップアンドゴーの繰り返しはエンジンが温まりにくく、エンジン内の結露による水分でオイルが劣化しやすくなります」と書いています。トライアンフの保証規定も、「短い距離でストップアンドゴーを繰り返す場合」は点検整備をより頻繁に、としています。ヤマハのブログは、渋滞や、高回転を多く使うスポーツ走行も、油温が上がって劣化を早めるとしています。
なぜ、短い距離がいけないのか
エンジンが温まりきらないうちに走り終えると、水と燃料がオイルから抜けないからです。ヤマハのブログは、こう書いています。
エンジンが暖まる前に目的地に到着すると、オイルの温度が上がりきらず、大気中の水分が蒸発せずにオイルと混ざってしまいます。
燃料も同じです。燃料と潤滑油の関係をまとめた2021年の論文(Taylor、学術誌『Lubricants』)は、ガソリン車の調査をいくつも紹介しています。冷えた状態から短い距離を走る使い方で、オイルに混ざった燃料が4,000〜8,000kmで10〜20%に達した例。夏は3〜5%、冬は8〜11%だった例。一方で、十分に温まったエンジンでは約2%で落ち着く、というモデルの結果もあります。混ざったガソリンは、エンジンが十分に温まれば急速に蒸発する、とも書いています。どれも車の調査で、バイクの数字ではありません。
燃料が混ざると、オイルは薄くなります。§5で取り上げるバイクの研究によれば、ガソリンが5%混ざるだけで、温まったときの粘度は約24%下がります。
「シビアコンディション」の数字
ホンダは二輪の点検整備のページで、厳しい使い方の目安を数字で挙げています。悪路が全走行の30%以上。「3,000 km以上/6か月」の走行。山道や登り下りが全走行の30%以上。そのときは「通常より早目に点検整備を行ってください」としています。ただし、オイルを何km早めるかは書いていません。
「1回8km以下」という目安を見かけることがありますが、私が確かめた範囲では、これはホンダやトヨタ、日産の四輪の資料の数字です。バイクの資料には、見つかりませんでした。
4オイルの中で起きている6つのこと
「劣化」とひとことで言っても、中身は別々の現象です。
- 酸化——熱と空気で、オイルが汚れや酸に変わる。
- ニトレーション——燃焼ガスの成分がオイルに入り、酸を作る。
- 添加剤の消耗——摩耗を防ぐ添加剤(ZDDP)や、酸を中和する添加剤は、働くたびに減る。
- 燃料希釈——燃え残ったガソリンが混ざり、粘りが下がる(§3)。
- 水分——冷えたエンジンの中で結露する(§2)。
- ポリマーのせん断——粘りを上げるための添加剤が、ギヤやベアリングで揉まれて切れる。下がった粘りは戻らない。
ここからは私の整理ですが、乗らなくても進むのは主に1と5で、2・3・4・6は走るほど進みます。だから交換時期は、距離と期間の2本立てになっていると読んでいます。
バイクで特に大きいのは、6つめ
バイクの多くは、1つのオイルでエンジンとクラッチとミッションを潤滑します。オイルはギヤの歯のあいだでも揉まれます。その影響を実際に測った研究が、次の章の2つめです。高温で揉まれたときの粘り(HTHS)や、せん断安定性の読み方は、HTHSとせん断安定性の記事で扱っています。
5「どこまで持つか」を測った研究——乗用車1台と、バイク1台
乗用車1台、19,800km
オーストリアの研究機関AC²Tのチームが2019年に発表した論文(Dörrら、『Tribology Letters』67巻68)は、ターボ付きガソリンエンジンの乗用車1台で、オイル交換1回分にあたる19,800kmを走り、オイルの変化を追いました。オイルはSAE 5W-30です。
- 摩耗を防ぐ添加剤ZDDPの主成分は、6,000km以降は検出されなくなりました。
- ZDDPが残っている間、摩耗は低いままでした。
- ZDDPがなくなり、そこから生まれた酸が増えると、摩耗の速さは4倍になりました。
読み方には注意が要ります。摩耗は、オイルに溶け込んだ鉄の量で見ています。部品を直接測ったわけではありません。そして、乗用車1台・オイル1銘柄の結果です。言えるのは、交換1回分の3分の1に届く前に、摩耗を防ぐ添加剤の主成分が見えなくなっていたことまでです。指定の交換距離がまちがっている、という結果ではありません。
バイク1台、約2,200km
バイクで測った研究もあります。オーストリアの研究機関Virtual Vehicleのチームが、2023年に日本トライボロジー学会の論文誌に載せた論文(Allmaierら、『Tribology Online』18巻2号)です。
使ったのは、2012年式のKTM 690 Duke。単気筒で、オイルは1.7Lしか入りません。メーカーの指定は、10W-60か10W-50、JASO MA、全合成で、交換は10,000kmごと、または少なくとも年1回。そこに、モトレックス、モチュール、リキモリの全合成オイル3種類を入れて、公道を走りました。走行の約8割は市街地の外です。
- 約200kmで、3種類とも、表示の粘度グレードを下回りました。
- 約2,200km走ったあとの100℃の動粘度は、新油から16〜44%下がっていました。いちばん下がったオイルは、2段下の粘度グレードまで落ちています。
- 落ち方はオイルで違いました。1種類は途中で下げ止まり、残る2つは下がり続けました。
- 2気筒のKTM(オイル3.5L、10W-50)でも、約3,500kmで約20%下がり、1段下のグレードに入りました。
著者らは、車のエンジンでは25,000km走っても粘度の低下は5%未満がふつうだ、と自分たちのデータとして書いています。粘りについては、バイクのオイルは車よりずっと早く変わります。
一方で、オイル中の鉄とアルミから見た摩耗の速さは、粘度が大きく違っても、3種類でほぼ同じでした。粘度が下がるにつれて摩耗が増える、という結果も出ていません。著者らは、下がった粘度でもまだ足りていたか、添加剤が摩耗を抑えていた可能性を挙げています。ただし、どこかで摩耗が増え始めるはずだとも書き、それを確かめるのは今後の課題としています。
2つの研究から言えるのは、ここまでです。粘りは早く落ちる。添加剤は交換1回分の途中で減る。それでも、摩耗がすぐに増えるとは限らない。どちらも、1台の車両での結果です。
6オイルの色では、分からない——黒いのは、仕事をした跡
抜いたオイルが真っ黒だと、もっと早く替えるべきだったように見えます。オイルメーカーの説明は、そうではありません。
出光興産のコラムは、黒くなる理由を「エンジンオイルが持つ清浄作用によってスラッジが吸着されるため、少しずつ黒色に変化してきます」と説明し、「オイルの劣化を色の変化で目視で判断するは実は難しい所があります」と書いています。TAKMOも、黒くなるのは「清浄作用」を果たしている証拠で、「黒くなったからといって必ずしも交換が必要というわけではありません」としています。
黒いのは、汚れをオイルの中に抱え込んで、エンジンの中に残さないように働いた跡です。色から分かるのは「汚れを抱えている」ことまでで、あと何km持つかは分かりません。
例外は、白く濁っているとき
色で判断していい場合もあります。スズキのスウィッシュの取扱説明書は、「オイルが白濁している場合は、水が混入していますので、オイル交換が必要です」と書いています。ヤマハのMT-07の取扱説明書も、交換時期の前でも、オイルが薄茶色に濁っているときは早めに交換するよう求めています。
粘りも、指では分からない
使ったオイルの粘りは、下がることも、上がることもあります。燃料が混ざったりポリマーが切れたりすれば下がり、酸化した成分やすすが増えれば上がります(Milosavljevićら、2015年)。中国の市街地を走る車で、5,000kmごとの交換のあいだを追った調査では、多くのオイルの粘度が、最初に下がり、途中で落ち着き、後半で上がっていました(Weiら、『Friction』2021年)。
下がる力と上がる力が同時に働いていて、見た目の粘りは、抜いたときの温度でも変わります。手で触った粘りから、オイルの状態は読めません。
7確かめる方法は、抜いたオイルの分析
自分のオイルの状態を知る方法は、抜いたオイルを分析に出すことです。エクソンモービルのオイル分析の案内には、金属の量、燃料の混入、水分、酸化、ニトレーション、すす、40℃と100℃の粘度、酸を中和する力の残り(TBN)などが並んでいます。
ただし、分析にも限りがあります。シェブロンの技術資料は、元素分析では5ミクロンを超える粒子は一部しか検出されず、10ミクロンを超える粒子はまったく検出されない、と書いています。そして、1回の量より、回を重ねたときの変化のほうが大事だ、とも。1回出しただけで「まだ使える」と言えるものではありません。
個人で出せるところ
私が調べたかぎりでは、個人がバイクのオイルを気軽に出せる国内のサービスは多くありませんでした。
- TAKMOの「モーターチェックアップ」は、オイルを1滴、専用のシートに垂らして送る簡易診断です(税込3,780円)。調べるのは、金属摩耗粉、燃料の混入、冷却水の混入、すすやスラッジ。対象は「全エンジン搭載車」とありますが、例に挙がっているのは車で、バイクの名前はありません。
- アメリカのBlackstone Laboratoriesは、海外からのサンプルも受け付けていて、1件40ドルです。日本からオイルを送るときの条件は、私は確かめていません。
私自身は、一度も分析に出したことがありません。
8「もっと早く」に数字を出しているのは誰か
車両メーカーの数字は、§1のとおりです。一方、オイルメーカーのTAKMOは、バイク用オイルの記事で「一般的には、走行距離3000km〜5000kmごと、または半年ごとにオイル交換を行うことが推奨されています」と書いています。
どちらも中立ではありません。オイルメーカーは、間隔が短いほど売れます。車両メーカーは、保証のコストや排出ガスの規制を抱え、維持費の安さも商品の魅力の一部です。
同じ問いに、利害が逆の2者が、別の数字を出している。片方だけを引用するのは、どちらの側であっても正確ではありません。
間隔を短くしたときの費用をどう考えるかは、エンジンオイルの記事の§15で、「守られた1kmあたりの費用」として扱っています。
9私の場合——3,000〜4,000kmか6か月
ここからは、私自身の話です。
いまは、3,000〜4,000kmか6か月の早いほうで、オイルを替えています。フィルターも毎回替えています。最初からこの間隔だったわけではありません。最初のバイクのCBR250RRでは、最初の交換が10,000km、2回めが約7,000km、そのあとは5,000kmごとでした。VTR1000Fも、最初の2回は5,000kmで、そのあと3,000〜4,000kmにしました。使用済みオイルを分析に出したことは、ありません。
スピードトリプルの前のバイクまでは、自分で替えていました。抜いたオイルは、3,000kmで替えたときでも、いつも黒く汚れていて、新しいオイルより粘って見えました。§6のとおり、色と見た目の粘りからは、オイルの状態は分かりません。私が見ていたのは、そういうものです。
替えたあとは、回したときのエンジンの感触と、シフトの入り方が、はっきり滑らかになります。私が短い間隔で替えている一番の理由は、この感触です。測ったわけではなく、私の感覚です。§5のバイクの研究で、粘りが早い段階で大きく落ちていたことと、矛盾はしないと思っています。
一方で、摩耗を防ぐという点で、もっと長い間隔とどれだけ差があるのかは、私には分かりません。§5の研究でも、粘りが落ちて、摩耗がすぐに増えたわけではありませんでした。
VTR1000Fでは、オイルも毎回同じではありませんでした。VHVI(水素化分解で高度に精製した鉱物油)の基油を使った「全合成」で、PAOやエステルが少し入っているかもしれない、というものから候補をいくつか決めておき、そのとき安く買えるものを選んでいました。いちばん安いオイルではありませんが、少量生産の高価なオイルでもありません。1回あたりが安いので、頻繁に替えても続けられました。シフトが滑らかな期間を、乗っている時間のより長い割合で楽しめる、というのが私の計算です。
スピードトリプルに乗るようになってから変わったのは、2つだけです。オイルが、レッドバロンのオイルリザーブ(オイルを先に買って、店に預けておく仕組み)のVRグレードの10W-40に決まったこと。そして、オイル交換を店に頼むようになったことです。ただ、これまで店に任せたのは、修理が2回とオイル交換が2回だけで、フィルターを含めて、ほかの整備は自分でしています。間隔は、オイルもフィルターも変わっていません。
10私なら、こう決めます
ここまでを踏まえた、私の決め方です。推奨ではありません。
- まず、取扱説明書の数字を見る。距離と期間の両方です。先に来たほうが交換時期です。
- あまり乗らないなら、期間のほうを見る。水冷の大きなバイクなら、年に10,000km乗らないかぎり、先に来るのは1年です。
- 短い距離ばかり、寒い時期ばかりなら、早めにする。ホンダもヤマハも、そう書いています。どれだけ早めるかの数字は、バイクの資料にはありません。
- 色と見た目では決めない。白く濁っていたときだけは、すぐに替えます。
- 指定より短くするかは、費用と、感触と、分からないことの大きさで決める。私は短くしています。理由は§9のとおりです。
オイルを替えたら、次は行き先です。Japan Bike Cafeは、駐車場とアクセス路の路面がわかるツーリング先を、現在地や都道府県から検索できるディレクトリです。
よくある質問
バイクのオイル交換は、何キロごとですか。
取扱説明書の指定によります。ホンダとスズキの資料では、空冷が3,000km、水冷が6,000km(ホンダの水冷251cm³以上は10,000km)で、どれも「または1年」が付きます。ヤマハも同じ形の段に分けています。初回は1,000kmか1か月です。距離と期間の、先に来たほうで替えてください。
乗らなくても、1年で替えたほうがいいですか。
メーカーはそう指定しています。ヤマハは「走行しなくてもオイルは劣化する」と書き、理由に酸化と、冷えたエンジンの中の結露を挙げています。乗らずに置いた間の劣化を測ったデータは、私が探したかぎり見つかりませんでした。
短い距離しか乗らない場合は、どうすればいいですか。
早めに替える条件です。ホンダは「短距離走行の繰り返し」と「寒冷地での使用」を、オイルの劣化が早まる条件に挙げています。エンジンが温まりきらないと、水分と燃料がオイルから抜けないからです。どれだけ早めるかの数字は、バイクの資料にはありませんでした。
オイルが黒くなったら、交換時期ですか。
色だけでは判断できません。黒くなるのは、汚れを抱え込む添加剤が働いているためで、出光興産もTAKMOも、色で劣化を判断するのは難しいと説明しています。白く濁っている場合は水が混ざっているので、早めに替えてください。
指定より短い間隔で替えるのは無駄ですか。
無駄とは言い切れません。乗用車の研究では、摩耗を防ぐ添加剤の主成分が、交換1回分の3分の1に届く前に検出されなくなりました。一方、バイクの研究では、粘度が大きく下がっても、摩耗の速さは増えていませんでした。どちらも1台の車両での結果です。
冬のあいだ乗らない場合は、どうすればいいですか。
距離が伸びなくても、期間の上限は変わりません。TAKMOは、冬にバイクを使わない場合でもオイルは劣化するとして、走行距離にかかわらず年に1回の交換を勧めています。寒い時期の短い距離の走行は、結露で水分が混ざりやすい使い方でもあります。